辞めゆく新人の話「少し働いてみて会社員はクソだと分かったので家業を継ぐことにしました」

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働く人へ

引用で登場した本は最後に載せていますので、ぜひ読んでみてね。

職場からどんどん新人がやめていく~

この前、2年目の後輩が退職することが上司から告げられた。

なんとなく予想がついていたというと言いすぎだけど、

だいたいみんな辞める前は、残業をしなくなったり、飲み会に来なくなったり、雑談をしなくなったりするから薄々は分かるものである。

今回の新人の彼は二か月間に異動してきたばかりだったから、早いなあとは思った。

意外だ、という感想とはちょっと違う。

というのも、この新人はこの前記事でも書いたけど、少々見栄っ張りなところがあったから、私もあんまり優しくしてあげられなかった。(なんというか好きになれなかった)

彼にとっても職場での居心地あまりいいものではなかったんじゃないかな。

情けない限りなんだけど、辞めると分かってからちょっと悲しくなるこの現象ってなんだろう。

今回もちゃんと後輩と接することができなかったなあという気持ち。

もちろん最初からいじめてやろうなんていじわるな気持ちでいたわけじゃない。

私なりに頑張った結果、教える気が失せたというか・・・

みんな自分の仕事のあり方が正解である

無理せず帰る人も、人一倍頑張る人も、残業しない人もたくさんする人も、自分の仕事のあり方が正解だと思ってるんだよ。

高瀬準子『おいしいごはんが食べられますように』講談社2025年41頁

みんな自分の働き方が正しいと思っている。ほんとうにそう。

今回辞めちゃった新人の彼も、彼なりに正しいと思う方法で働いてきたと思うし、

私も私で自分のやり方を教えることしかできないから、そこにどうしても相性はある。と、思う。

そして、本記事のタイトルになっている言葉は完全に私の創造である。こんな感じだろうな~っていう。

「会社員がクソ」だとかは辞めていった彼が言ったわけではないんだけれど、みんな多少は思ってるよね?

ちょっと働いてみればすぐ分かる。仕事なんて楽しいわけがない。

仕事っておもしろくない

〈仕事〉って、それですよ。わたしの新人のときの〈仕事〉って、それ。だれがおもしろいと思うんだ?おもしろいわけないじゃないですか、こんなもん。
 やりがいを感じられる、世の中の役に立つ、おもしろい〈仕事〉がしたい?学生、なに言ってんだ、ですよ。今朝、顔を洗ったか?寝ぼけんな。おもしろい〈仕事〉なんか、世の中にあるわけねえだろ。あの時の自分だったら、そう言ってたかもしれません。

近藤康太郎『ワーク・イズ・ライフ 宇宙一チャラい仕事論』2024年CCCメディアハウス34頁

先輩から引き継いだ会社にとって大事な顧客にこびへつらって、要望を聞いて、自分が体験したこともないサービスを売ってお金を受け取り、時にミスをしてクレームになって、社内に迷惑をかけて
人に怒られて、人にミスされて、イライラしている人にひどいことも言われて

あれ?楽しくないぞ、ということは入社してまず最初に分かること。

ただ、私が入社してからの3年間は、この状況が長く働き続けるにつれて改善するだろうという希望があった。

だけど、3年間働いて、4年目をすぎたあたりから、この苦しみは何年働いても終わらないかもしれないと思い始める。

だから私は辞めたんですけどね。(でも彼と違って私は部署を異動しただけ)

投資の本から

先輩たちを見てると、かつての私と同じように苦しんでいるのに今も、そしてこれからも同じように働き続けるんだろうなという人が多くいる。

サンクスコストとは、すでに投じられた回収不可能なコストのことだ。これは、時間とともに人の考えが変わる世界では、悪魔のように厄介なものだ。サンクスコストは、未来の自分を、過去の囚人にしてしまう。
それは、人生の重大な決断を他人に下されるのに等しい。

226頁

投資の本に出てくる言葉は仕事論としても考えることができるものが多い。

会社に捧げ続けた人生は、この会社を辞めることをより難しくする。

今でまだ5年目とかそこらだけど、すでにその感覚は理解できるのが怖い。

投資の世界でよく言われる「適正なリスク」を取ることもキャリアを築くうえで欠かせない考え方だと思う。

変化を恐れて何もしないこともリスク、であるならば、失敗しても破滅するなんてことにならないような適正なリスクを積極的に取っていく必要がある。

こうした考え方は意外とお金の本の中にあったりする。

二年目で仕事を辞めた私の後輩は、果たして適正なリスクを取ったと言えるだろうか?

入社するためにも時間がかかる。最近の就活は長い。そして会社で新たな人間関係を築き、業務を覚えた。

これらに支払ったコストを無視して、辞めることができたということは賞賛に値するのだろうか?

そう考えるには、私は少々辞めるのが早かったのではと思うのである。

社会人生活の中で学ぶこと

日本の職場で、つまづく人が多いのは、配慮のつもりの曖昧さが、結果的に相手を傷つけてしまうという点です。

星歩『世界基準の仕事術』大和出版2026年121頁

でも、見切りをつけるのは早い方がいいはず。

このクソな会社員を続けていても意味がない。

だから、一旦やめて家業を継ぐことにした私の後輩のことを、辞めるのが少し早かったのでは?と思うのには理由がある。

なぜなら、彼が短い社会人生活の中で学んだのは、「会社員がクソであり、この会社にはろくな先輩たちがいない」という事実だけかもしれず、それはさすがにもったいないと思うからである。

私は月並みだけど、いろんな人と出会えたのがよかったかな。

会社員として働くことがクソであることに変わりはないけど、これが意外と悪いことばかりでもないのが不思議なんです。

彼が学べなかった原因の一つは、職場を作っている私たちにあるでしょう。ゴメンネ

それでも、もう一つの原因は彼の仕事に向かう姿勢にあったと思います。

何事もすでに理解しているような言動やマウントを取っていくような姿勢では、何かを先輩や上司から学ぶことは難しかったはずです。

こういうことはどこのどんな職種にも求められます。集団の中で働こうとするならば。

だからこそ、この部分だけでも教えてあげられたらよかったのです。

星歩さんの『世界基準の仕事術』には日本の職場の問題点が書かれていますが、まさに気遣いがゆえの曖昧さは、仕事をする上では何の役にも立たないでしょう。

はっきりと伝えるというよりは、間違っていた時間や場所、言動を具体的に示して指摘する。人格否定じゃなくて、間違っていたその一瞬だけを切り取って注意する。

正しく注意することはとても難しいです。

好きなことをして生きていく

つまり、どんなに高い給料よりも、どんなに大きな家よりも、どんなにステータスのある仕事よりも、「好きなときに、好きな人と、好きなことができる」生活を送れることのほうが、人を幸せにするのである。そして、お金が私たちにもたらす最大の価値がそれだ。

モーガン・ハウセル『サイコロジー・オブ・マネー一生お金に困らない「富」のマインドセット』ダイヤモンド社2021年127頁

それでも、最終的に好きな仕事をするための道を選んだ、二年目の後輩の決断は、私は悪くないとは思っています。

ただ現実的な部分をどの程度詰められているのかは気になります。それはお金の部分。

好きなことをして生きていくにはどうしてもお金が必要です。

ただこれは言い換えれば、少なくともお金さえあれば、好きなときに、好きな人と、好きなことができるということなのです。

会社員として働き続けることがクソだと分かった人は次に、どうすれば辞められるのかを考えます。

私は辞めるためにはお金が必要であると考えています。

でも、確かにそれを待っていたらいつになるか分かりません。

私はあくまで、お金を満足するまで貯めてから会社員以外の道を模索するつもりですが、

もし本当にやりたいことや目的があるのなら、早いうちにそれも若いうちに挑戦して失敗しておくのは悪くない選択肢のようにも思えます。

少なくとも、クソな会社員を嫌々続ける人よりは人生の満足度は上がるのでしょう。

でも私はこういう考え方も好きです。

命を懸けて、人生の最後の日まで、長く続けて書を読み、歌を詠むため、文章を書くため。そのためにも、会社員をやめるな。

近藤康太郎『ワーク・イズ・ライフ 宇宙一チャラい仕事論』2024年CCCメディアハウス59頁

本業があってこその、自分がやりたい仕事。

そして本業を自分が本当にやりたい仕事に反映させていく。

そんな働き方もあるようです。

仕事を続けるにしても、辞めるにしても、ちゃんと考えて自分で決めたいものです。

その材料を日々本から探していきましょう。

読んでいないと思うので勝手に言うけど、後輩よ、ちゃんと頑張れよ。

~本紹介~

高瀬準子『おいしいごはんが食べられますように』

ことあるごとに読み返す良書。芥川賞を受賞しているけど、いわゆるザ・純文学と言った感じではなく、働く人にはもれなく刺さる内容になっています。というかホラー?職場にいる怖い人が出てきます。芦川さんもなかなかだけど、二谷はもっとやばい。最終的には弱いものが勝つ。

近藤康太郎『ワーク・イズ・ライフ 宇宙一チャラい仕事論』

朝日新聞の記者であり、百姓であり、猟師である、アロハシャツを着たライター近藤康太郎さんの書いた仕事論の本。ご機嫌に生きるためには仕事も学びも遊びでさえも手を抜かない。やらされている仕事が面白くないことなんて当たり前。仕事は自分は作っていくものである。

『ワーク・イズ・ライフ 宇宙一チャラい仕事論』近藤康太郎|あらすじ・感想

モーガン・ハウセル『サイコロジー・オブ・マネー一生お金に困らない「富」のマインドセット』

いわずとしれた投資・お金界隈の必読書。投資の話だけでなく、お金にまつわる生き方の話などが、数々の実例をもとに書かれているから説得力が違う。お金の本って、金持ちになろうって話よりは、人生をよりよく幸せに生きるためにどうすればいいかを書いたものが多い。お金って人生の幸福度に直結するのかも。

星歩『世界基準の仕事術』

特に世界に出て働こうなどという野望は持ち合わせていないけれど、普段から日本の職場で働いていると見えてこない異常さが本書を読めば見えてくる。世界に出て働こうというよりは、どんな会社でも、どんな環境でも活躍できる人材になることを目指す本。モチベは上がる。

『世界基準の仕事術』星歩|要点・実践5選

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