古典100冊読破チャレンジ|近藤康太郎『百冊で耕す』選書を読む

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古典100冊

私の実家には大きな本棚がある。

大体左側に父が集めたミステリー小説が並んでいて、こちらにはあまり興味がなく、それよりも右側に前後三列になって並べられていた母の漫画の方を読み漁っていた。

『火の鳥』『ブラックジャック』『エースをねらえ』『ガラスの仮面』『ベルサイユのばら』『ポーの一族』

なんせ前後三列になっていたから、奥の方を覗くとまだまだ漫画が隠れていた。

今でも最奥はちょっと怖くて覗けない。(母の趣味が表出するという意味でも)

そんな漫画の中でも『ガラスの仮面』特に好きで、今でも帰省したときに読んだりする。

吸血鬼カーミラの姫川亜弓が大好きで、そこからマヤちゃんの二人の王女オーディションまで読む。そして、また1巻に戻り、二週目のカーミラを読む。

まぎれもない名作である『ガラスの仮面』に出会えたのは、母が過去の漫画を選書して集めてくれていたおかげだ。

普段、自分で読む本を決めている。興味の赴くまま、書店で目を引いた本を買って読んでいる。

人に勧められた本は基本面白くないのであまり読まない。

でもなぜか今、近藤康太郎さんが勧める100冊を読もうとしている。

今日から読み始める100冊は、近藤康太郎さんだけがお墨付きを与えているわけじゃない。

世界で長年読み継がれてきた本たちだ。世界が認めている。

偏食しない。順番に。なにも考えず、文句をいわず。ただただ、リストを妄信して読む。

近藤康太郎『百冊で耕す〈自由に、なる〉ための読書術』CCCメディアハウス2023年141頁

つらいことがあるから楽しいことがより楽しくなる。人生ってそういうもの。

平坦な人生は、辛いことは少ないけど、その分楽しいことも減っていく。

読書を楽しむために、人生を楽しむために、自分に少し負担をかけてみる。

面白い本は既に選んでくれている。

リストに載っているような古典は、ぜったいにおもしろいのである。おもしろくないは、本のせいではない。自分のせいだ。わたしが悪いのだ。
何百年にもわたって、世界中の人が読み継いできたものだ。だから、いまものこっている。プリントされている。世界が、人類が、お墨付きを与えている。

近藤康太郎『百冊で耕す〈自由に、なる〉ための読書術』CCCメディアハウス2023年142頁

なんでリストで読む必要があるのか。趣味なんだから好きなように読んでいればよくないか?

忙しい毎日で心を失いながら、本を読むだけでも素晴らしいのに、わざわざ人が選んだ難しい本を読むのってそもそも楽しいのか?

実は少し前に、プチリスト読書(10冊)をしてました。だから恐れ多くも100選書ができると思ったんですね。

それがこの前発表された2026年本屋大賞です。

本屋大賞は毎年2月ごろになるとノミネート作品が10冊発表されます。そして、同年4月ごろに大賞受賞作品が決まる。

この間ちょうど二か月。その二か月の間にノミネートされた10冊読んで、自分なりにランキングをつけるというのを趣味でやっていました。

記事にもしています↓

【本屋大賞2026予想ランキング】ノミネート作品から大賞を予想💡

本屋大賞というのは、全国の書店員さんが毎年「売りたいと思った本」に投票するものです。

そのため、10冊に選ばれる本というのは、面白いことが既に確定しているというわけです。

そんなお墨付きのある本を十冊、自分で本屋さんで探すことなく読める。

新刊の小説はどうしても当たりはずれありますよね。というより合う合わないでしょうか。

書店で自分が気に入りそうな本が、なんとなく分かるようにはなってきましたが、100%で見抜くのは不可能。それに最近の新刊は安くない。

しかし本屋大賞ノミネートは違います。

書店員をしていて本を普段読まないという人もめずらしいでしょうから、普段から読んでいる人が「これ絶対面白いよ」とおすすめしてくれているわけです。

それを何も考えずに10冊読む。で実際全部面白い。

いわばリスト読書ですが全く苦行ではない。

むしろこんな贅沢してていいのかと。次から次へと面白い本がやってくるわけですから。

古典だけの100冊選書もおそらく同じですよね。

今回この本にお墨付きを与えているのは、世界、人類と歴史です。

近藤さんは、古典を面白く感じられないのは、自分が悪いと思えとさえ言っています。

面白いと分かっている本を100冊選んでくれている。順に読んでいけばいいということです。

100冊選書『百冊で耕す』より

近藤康太郎さんの著書『百冊で耕す』の巻末では、世界の古典名作と呼ばれる本やその解説本が百冊選書されています。

自分の好きな作家さんが選んだ本なので間違いないだろう。それだけなところもあります。

近藤康太郎さんは、朝日新聞記者で、作家で、アロハシャツを着て、百姓で猟師をされている方です。

・・・?

忙しい毎日で、なぜリストにあるような古くさい本を読まなければならないか。自分の仕事の役に立つのか。さっぱり分からない。不安だ。(中略)
小利口になってはいけない。むしろ大馬鹿になれ。いまの自分に、なんの役に立つのかと、こしゃくなことは考えない。信じ切る。馬鹿になって、リストにしたがって、単に目を動かす。

近藤康太郎『百冊で耕す〈自由に、なる〉ための読書術』CCCメディアハウス2023年155頁

本屋大賞だって同じですよね。読んでいても読んでなくても生きていける。

古典はたぶん、本屋大賞より分かりやすくない。すぐに面白いとは思えないかもしれない。

読まなくても問題なく生きてきたし、みんなも読んでない。

読んだ先に何が待っているのかは、たどり着いてみてから。そんな旅に出てみようと思います。

まあ、古典を読んでいる人ってちょっとかっこいいとも思いますし。賢そうですよね。

超高校級の読書家1とかって呼ばれてみたい人生でした。

おわりに

以下は、『百冊で耕す』巻末にある百冊選書です。

正直、聞いたことはあるけど読んだことはない本、もしくは聞いたこともない本、ばかりです。どうなんだろう、普通みんな作家の名前やタイトルくらいは分かるものなのか?

そもそも電車の通勤時間くらいにしか読まないのに100冊も読み終わるのか、いったい何年かかるのか。また、とんでもなく長編のものがあったらどうしようとも思います。

最近は本を読む人自体が少ないので、自分が読書家である気になっていましたが、そもそもそんなに読んでこなかったのだと、リストを見てから震えが止まりません。

この百冊選書には、新刊で手に入れやすい版や出版社が書かれているので選ぶ手間が省けて、読むことに集中できるのでありがたいです。

少しですが近藤康太郎さんのコメントも一冊ごとに書かれています。

もし自分も古典を読みたい、そう思う人がいたらぜひ近藤康太郎さんの『百冊で耕す』をまず読んでみてください。本に対する覚悟が生まれると思います。

なんか、久々にわくわくしています。

新刊ばかり並んだ自分の本棚に名作たちが並んでいくのが楽しみです。

古典100冊リスト①海外文学

  1. M・セルバンテス『ドン・キホーテ』
  2. W・シェイクスピア『マクベス』
  3. E・ブロンテ『嵐が丘』
  4. C・ディケンズ『デイヴィッド・コパフィールド』
  5. V・ウルフ『灯台へ』
  6. H・バルザック『ゴリオ爺さん』
  7. G・フローベール『ボヴァリー夫人』
  8. V・ユゴー『レ・ミゼラブル』
  9. R・ローラン『ジャン・クリストフ』
  10. A・カミュ『ペスト』
  11. L・F・セリーヌ『夜の果てへの旅』
  12. J・W・v・ゲーテ『ファウスト』
  13. E・T・A・ホフマン『黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ』
  14. T・マン『魔の山』
  15. F・カフカ『審判』
  16. A・プーシキン『大尉の娘』
  17. N・ゴーゴリ『鼻/外套/査察官』
  18. F・ドストエフスキー『悪霊』
  19. L・トルストイ『コサック 1852年のコーカサス物語』
  20. A・チェーホフ『ワーニャ伯父さん/三人姉妹』
  21. H・メルヴィル『書記バートルビー/漂流記』
  22. M・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒険』
  23. E・ヘミングウェイ『武器よさらば』
  24. J・スタインベック『怒りの葡萄』
  25. J・D・サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』
  26. G・ボッカッチョ『デカメロン』
  27. A・タブッキ『供述によるとペレイラは……』
  28. W・ゴンブローヴィッチ『トランス=アトランティック』
  29. O・パムク『雪』
  30. G・G・マルケス『ガルシア=マルケス中短篇傑作選』

古典100冊リスト①日本文学

  1. 『平家物語』
  2. 森鷗外『森鴎外全集1 舞姫/ヰタ・セクスアリス』
  3. 泉鏡花『夜叉ヶ池・天守物語』
  4. 樋口一葉『にごりえ・たけくらべ』
  5. 田山花袋『蒲団・一兵卒』
  6. 夏目漱石『それから』
  7. 芥川龍之介『羅生門・鼻・芋粥・偸盗』
  8. 中島敦『李陵・山月記』
  9. 有島武郎『或る女』
  10. 志賀直哉『小僧の神様 他十篇』
  11. 内田百閒『冥土・旅順入城式』
  12. 宮沢賢治『宮沢賢治童話集 注文の多い料理店 セロひきのゴーシュ』
  13. 川端康成『伊豆の踊子』
  14. 横光利一『機械・春は馬車に乗って』
  15. 谷崎潤一郎『春琴抄』
  16. 夢野久作『ドグラ・マグラ』
  17. 中野重治『村の家・おじさんの話・歌のわかれ』
  18. 太宰治『お伽草子』
  19. 坂口安吾『堕落論・日本文化私観 他二十二篇』
  20. 大岡昇平『野火』
  21. 武田泰淳『富士』
  22. 埴谷雄高『死霊』
  23. 三島由紀夫『仮面の告白』
  24. ちばてつや『あしたのジョー』
  25. 大西巨人『神聖喜劇』
  26. 野呂邦暢『諫早菖蒲日記』
  27. 大江健三郎『万延元年のフットボール』
  28. 村上春樹『風の歌を聴け』
  29. 金井美恵子『噂の娘』
  30. 吉本ばなな『アムリタ』

古典100冊リスト①社会科学・自然科学

  1. プラトン『ソクラテスの弁明』
  2. アリストテレス『詩学』
  3. L・ダ・ヴィンチ『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記』
  4. N・マキアヴェッリ『君主論』
  5. R・デカルト『方法序説』
  6. 仲正昌樹『今こそルソーを読み直す』
  7. 御子柴善之『自分で考える勇気 カント哲学入門』
  8. 竹田青嗣『完全読解 ヘーゲル「精神現象学」』
  9. 斎藤幸平『人新世の「資本論」』
  10. F・W・ニーチェ『ツァラトゥストラはかく語りき』
  11. R・アッピグナネッセイ『FOR BEGINNERSフロイト』
  12. M・ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
  13. 丸山圭三郎『ソシュールの思想』
  14. 木田元『ハイデガー「存在と時間」の構築』
  15. 橋爪大三郎『はじめての構造主義』
  16. L・ウィトゲンシュタイン『反哲学的断章 文化と価値』
  17. アラン『幸福論』
  18. H・アーレント『全体主義の起源』
  19. I・ウォーラーステイン『近代世界システムⅠ』
  20. E.H.カー『歴史とは何か』
  21. 『小林秀雄講演』
  22. 九鬼周造『「いき」の構造』
  23. 柳田國男『遠野物語』
  24. 花田清輝『復興期の精神』
  25. 柄谷行人『力と交換様式』
  26. 吉田洋一『零の発見 数学の生い立ち』
  27. 武藤徹『武藤徹の高校数学読本』
  28. A・アインシュタイン/L・インフェルト『物理学はいかに創られたか』
  29. J・V・ユクスキュル/G・クリサート『生物から見た世界』
  30. 奥本素子『おしゃべる科学 ひと晩で理系になれる最先端科学講義集』

古典100冊リスト①詩集

  1. 『日本名詩選』
  2. 斎藤茂吉『万葉秀歌』
  3. 『梁塵秘抄』
  4. 与謝野晶子自選『与謝野晶子歌集』
  5. 金子みすゞ詩集
  6. 石垣りん詩集
  7. 『林ふじを句集 川柳みだれ髪』
  8. 『辻征夫詩集』
  9. O・ハイヤーム『ルバイヤート』
  10. Charles Bukowski『The Last Night of the Earth Poems.

一冊目に『春琴抄』を選びました

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美人かつ盲目の主に仕える男の話。自らの目を潰してまで献身する姿にはどうしても共感は無理。

~本紹介~

近藤康太郎『百冊で耕す〈自由に、なる〉ための読書術』

今まで本を読むということに対して、あまりにも何も考えてこなかったと思い知らされる。どんな本を選ぶのか、いつ読むのか、何のために読むのか、読んだ後どうするのか、何語で読むのか。奥深い読書の世界を発見できます。本が読みたくなる。本を人生に活かしたくなる。そんな本です。

  1. いまさらダンガンロンパを見ている。このアニメとゲームにハマりまくっていた友人がいた気がする。超高校級の〇〇という肩書がいかにもという感じで好き。狛枝凪斗目当てで見始めたがシーズン1には出てこなかった。 ↩︎

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