「仕事なんて一日にやろうと思っていたことの半分も終わらないよ」
私がまだ新入社員の頃、事務のトップとしてたくさんの部下を取りまとめ、膨大な業務をこなしていた係長が言っていたのをよく覚えています。
彼女ほどの人でも、思っていた半分の仕事しか一日に終わらせることができていないのか、と。
事務の仕事は、途中途中でかかってくる電話に対応しながら進めたり、営業からの無理な依頼が急遽入ってきたりと、本来の仕事の邪魔がよく入る。
そんな状態では、なかなか本筋の仕事が終わらせられない。
私も仕事をしていて「今日は仕事が全部終わった!」と思う日は一度もなかった気がする。
いつも、ああ今日もここまでしか進まなかった。最低限明日までにやらないといけない仕事は家に持ち帰ろう・・・
と言った感じで、仕事が終わることなどないと思って生きてきた。
しかし本書を読んで、そもそもその考え方自体が間違っていたのだと、
終わらせられる仕事にしていくために、とても具体的な方法が分かりやすく書いてあるこの本を手に
明日から仕事が終わる毎日へ変えていける気がする。
『「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか?』ではここで要約する必要がないほど、要点が分かりやすくまとめられています。
そのため本記事では、私が読んで得た他の本にはないなるほど!な点をまとめました。
本書をすでに読み終わった方も、これから読む方にも学びとなれば幸いです。
こんな人におすすめ
- 毎日サボらすに働いているのに仕事が終わらない人
- 効率よく仕事をした人
- 人よりも仕事が遅いと思っている人
- 休みの日も仕事のことばかり考えてしまう人

著者とあらすじ
▼著者 Prodotto合同会社代表
1974年群馬県生まれ、神奈川県横浜・横須賀・鎌倉育ち。
NTTデータ、ベイン・アンド・カンパニー、日本マイクロソフト、Microsoft Corporationを経て、創業メンバーとしてワークスモバイルジャパンに参画。法人向けコミュニケーションツール「LINE WORKS」の立ち上げに携わり、4年連続市場シェアNo.1、導入社数20万社超、売り上げ78億円(2021年当時)までの成長に貢献。25年間の会社員生活を終えて、独立。
コンサルや外資など一見すると華々しい経歴ながら、常に長時間労働でやり繰りしてきた社畜人生。生粋のタスク管理オタクとして、30年超にわたり「どうすれば思い通りに仕事が終わるのか?」を考え、試行錯誤し続けてきた。2024年note創作大賞ビジネス部門で『コンサルと外資で学んだ、「アクション動詞」でタスクを書くと生産性が高まる話』が入選。
Amazonなどでも使われる世界No.1のプロジェクト管理ツール「Asana」のアンバサダーとして3年連続MVPを受賞。生産性向上に関する講演、テレビ・ラジオ出演、新聞・雑誌掲載の実績多数。1
▼あらすじ 「今日も仕事が終わらなかった…」がなくなる! 仕事が速い人は、”隠れたムダ”を消して、いつでも「頭のいい自分」を100%引き出している。予定通りに仕事を終えて、やりたいことを叶えるための、3つのモード=(1)「手戻りをなくす」計画(2)「切り替えをなくす」実行(3)「一度やったことを忘れない」中断の技術を紹介。2
実践①そもそも終わらない計画を立ててはいないか
読んですぐ、これだー!と思いました。
電話のならない土曜日にわざわざ休日出勤してまで、一日で終わらせるぞ!と意気込んで仕事を始めたにもかかわらず、一日たっても仕事が終わらない!ということはよくあった。
はじめてその理由に気づけた気がしました。
終わらなかった理由、それは、そもそも一日で終わる仕事の量ではなかったのだということ。
やらなければならない仕事は、本来何時間かかる仕事なのかをきちんと把握できていない。
そのまま終わらない計画をたてているので、そもそも計画通りに進めても終わるはずがない。
終わるはずがなかったのだ!
これは当たり前のことに思えるが、私にとっては今まで終わらなかった仕事のすべての理由がこれであるということに今更ながら気づいたという、それも衝撃であった。
仕事が終わらないのは、自分の仕事が遅いからだと思っていた。
周りの人は仕事を終わらせて帰宅しているのに自分だけ終わらない理由が分からなかった。
正直仕事にも慣れてきて、他の人よりも早く正確に仕事をこなせるようになったと自信がついてから、自分の仕事が終わっていないのに、他の人がどのように仕事を終わらせているのか余計に理解できなくなった。
同じように思っている人がいたら、本書を読んでみてほしい。
あなたの仕事が終わらない理由が必ずそこに書いてある。
実践②「考える」と「手を動かす」の切り替えを減らす
「計画モード」と「実行モード」は、まったく異なる思考と環境を必要とします。
『「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか?』ダイヤモンド社2026年88頁
「計画モード」・・・仕事のゴールとそこまでの道筋を描く技術のこと。アクション動詞を使って後はやるだけの状態を作り、脳内でリハーサルをしておくことで、いざ手を動かす瞬間に迷いがゼロになる状態を作る。
「実行モード」・・・切り替えが生まれる要素を排除し、作業中の判断や選択を限りなくゼロに近づけ、迷わず手を動かすことで、仕事を進める。
本書ではとにかく、仕事中に発生する「切り替え」こそが仕事が進まない原因であると、無駄であると説く。
考えることと手を動かすことは、一見同じ仕事のうちのように思えても、異なる思考や技術を必要とする。
だから、それらを同時に行おうとすると、いちいち「切り替え」を行うことになり、それが無駄だということだ。
まずはこれから行うタスクに関して必要な情報や、あらかじめ他の人にお願いすべき業務があるのか、どのくらいの時間がかかるのか、など一通りどのように終わらせるのか計画を立てる。
そして、事前に脳内でリハーサルも行う。
そうすることで、後は実行するだけの状態にし、何も考えずに手を動かすターンに入ることで、仕事を一気に終わらせる。
実践③凡人にマルチタスクができると思うな
ダッシュボードの上に置いたタブレットと、膝上のノートPCで別々のオンライン会議に参加している。ワイヤレスイヤホンも二台態勢だ。右耳と左耳をそれぞれの機器に繋ぎ、部下からの報告とクライアントの説明を同時に耳に入れている。クライアントが意見を求めてきたので、美紅はタブレット側のミュートを解除してプレゼンを始めた。
野宮有『殺し屋の営業術』講談社2025年148頁
10人の話を同時に聞いていたという聖徳太子の話もたぶん嘘だし
マルチタスクをしているというあなたの職場にいる同僚も、「シングルタスクの高速切り替え」をしてるだけだから安心してほしい。
本当にマルチタスクができているのはほんの一部の天才だけ。
「今この瞬間に実際に手を動かして進められる仕事」はたった1つだけです。そしてその1つの仕事を進めている間、残りの「中断状態」の9個のことを、私たちはまったく考えることができないのです。
『「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか?』ダイヤモンド社2026年122頁
無理なものは無理だと理解して、それでも仕事を早く終わらせるためにできることを考えたほうが、よっぽど定時で帰れる可能性は高くなる。
マルチタスクの登場人物が出てくる小説です。こちらもどうぞ。
【本屋大賞2026第6位】『殺し屋の営業術』感想|ノミネート作品レビュー
裏社会で天職を見つけたトップセールスの話『殺し屋の営業術』野宮有
実践④ToDoメモはアクション動詞で書く
アクション動詞・・・実際に手を動かして行う具体的な行動を表す動詞のこと
みなさんはToDoリストを作成していますか?
私はリストを書いてそれを順にこなしていくのが好きなので毎日書いていますが、この書き方にもコツがあるようです。
確かに、自分のToDoリストを見て以下のように書いてあったら、「今はあまり時間がないから、またあとでやろう」と思って後回しにすることがよくあります。そのような書き方には注意すべきということです。
「提案書作成」
「A社へ連絡」
「データのまとめ」
そうではなく、アクション動詞で書く。つまり、実際に手を動かして行う具体的なアクションを書くのです。
「提案書作成」
→「先月の売上データをエクセルで集計する」
→「競合他社の特徴を3つ箇条書きにする」
→「大まかなコストを計算する」
ここまで考え抜いたうえでToDoリストにしておくと、すぐに実行モードに移ることができ、考えながら進める必要がなくなります。
実践⑤うまく中断し、仕事を忘れて休む
中断モードを取り入れると「仕事を忘れても問題ない」と安心できるので、頭がすっきりして、メリハリがつくようになります。
『「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか?』ダイヤモンド社2026年152頁
私の会社は定時の30分後に完全退社と施錠が義務付けられています。
だから決まった時間が来たら必ず退社しなければならない。
終わっていない仕事を放り出して慌てて会社から出るのだが、この時にうまく仕事を終わらせられないから、退社後も「ああ、あれやってないや」とか「あの資料どこにおいたっけ」などとずっと考え続けることになる。
うまく中断する技術は、ゲームのセーブボタンを押すことと同じで、職場を出る直前の自分を保存し、明日同じところから再開することで、ロスをなくすことに直結する。
15秒の思考メモを書く
例えば・・・
「明日は12時までに報告書を送らないといけないので、まずXとYに関する資料を集めるところからスタートする」
「経費精算のレシート探しまでは全て終えたので、明日は申請から始める」
「Aさんへの下書きメールに去年のデータと提案書を添付してから送信する」
このように明日の自分のために引き継ぎメモを残すのである。
そうすることで、明日出社した自分はメモを見て昨日どこまで終わっているのか、今日はどのように何をすすめればよいのか瞬時に理解し、いきなり実行モードから仕事を再開することができる。
そして、退社前にまたメモを残しておくことで、退社後はゆっくりと仕事のことは考えずに休むことも可能になる。
まとめ
どうでしたでしょうか?
どれもとっても実践的で、実際の自分の仕事の仕方に照らし合わせて読むことができました。
あなたの仕事が終わらない理由が、この本の中に必ず書かれています。
それだけでなく本書では、仕事を終わらせるためにはどうしたらよいのか、をとても具体的に説明しています。
ここに書かれたことを一つ一つ実践していくことで、あなたの仕事は以前よりも格段に終わるようになるでしょう。
この本は、仕事に対するマインドセットというよりは、より実践的なスキルを学べる本です。
終わらない仕事に毎日うんざりしている方はぜひ読んでみてください。
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