あなたのまわりにいる「仕事ができない」人の思考体験

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ましまし

皆さんの職場には、いわゆる「仕事ができない人」はいるでしょうか?

ちょっと、まだ終わってないの?

頼んでいた期日までに仕事が終わらない。

え、なんで早く言ってくれなかったの?

重要な報告をすぐしない。

などなど職場には本当にいろんな人がいて、そのいろんな人たちと共に働かなくてはなりません。

もし、あなたが仕事に慣れてきて、一人前と言われて、逆に他の人の仕事のできてなさが気になってきたら、

あなたは小説の読み時かもしれません。

何かが「できない」という経験は誰もがしたことがあるでしょう。

でも、自分ができることとなると、他人がなぜできないのか途端に分からなくなる。

小説を読んでいると、様々な「できない人」を見かけます。

本記事では、そんな「できない人」の特徴に迫っていきたいと思います。

できない人の頭の中『降りる人』木野寿彦

一瞬、自分が何をしていたのか分からなくなる。今のロスでパレットが並び始めている。混乱する頭で、自分が「二」とカウントしたことを思い出す。しかし、今渡したのが「二」なのか、これから作るのが「二」なのかとっさに判断できない。固まった僕に向かって、社員が「おい」と怒鳴った。

木野寿彦『降りる人』KADOKAWA2025年90頁

『降りる人』の主人公は工場の期間工として働いている。

ベルトコンベアを流れる商品に対して常に同じ作業を繰り返していく中で、次から3つめに流れてくる商品に対しては通常とは異なる作業が必要になると指示がでる。

指示自体は難しくないはずなのに、頭では分かっているのに、小さなミスが次のミスを呼び、だんだんとパニックにおちいっていく主人公が描かれる。

改行なく、続けざまに訪れる思考が邪魔をする。そんな脳内の描写は2ページ強にわたり、とてもリアルである。

そんな主人公に追い打ちをかける、お前は数も数えられねえのか、という社員(上司)のセリフは、読者にとっても気が重い。

なんでそんなことを言うのか、と思う。

だけど、たしかに他人に対して、なぜできないんだろう?と思うこともある。

落ち着いてゆっくりやったらできることなのに、なぜか焦ってしまい、勝手にパニックになってしまい、結果できない。

なんでそうなってしまうのか、できる人には分からない。

そして、それを本当の意味で理解できる人は少ないと思う。

でも、知る努力をすることを無駄ではないはずです。

逃げ出すこともできない『死んだら永遠に休めます』遠坂八重

今から死に物狂いて婚活なり転職活動なりすれば、この地獄から抜け出せるかもしれない。

でも、できない。

おにぎりに梅干しを入れる気力もないのに、十メートル先のごみ捨て場にごみを出す気力もないのに、生き方そのものを変える気力なんて残っているわけがない。

遠坂八重『死んだら永遠に休めます』朝日新聞出版2025年44頁

「仕事ができない人」は、環境が合っていないことが原因であることが多い。

みんなそれぞれ個性があって、できることや得意なこと、できないこと、苦手なことが違う。だから、みんながみんな同じ職場で結果が出せるわけがない。

だけど、「仕事ができない人」の多くはそのおそらく向いていないであろう職場を簡単にはやめられない。

私の職場にもいつも上司に注意されている社員がいるが、彼女はどちらかというと自分で考えることが苦手で、マニュアルなどで仕事が細かく決まっていれば問題なく仕事ができるタイプである。

にもかかわらず、比較的自由度が高い仕事を選んだため、仕事の優先順位がうまくつけられなかったり、数字への意識が薄かったり、自分で考えることができなくて仕事を抱え込んだりしてしまう。

彼女の課題は仕事内容や職種を変えることであらかた解決するのではないだろうか。

同じように『死んだら永遠に休めます』の主人公も同様、今の仕事が合っていない。

そして彼女も、とてつもないブラックな環境におかれているにもかかわらず仕事をやめられない。

今いる環境が合っていない、もしくは自分には向いていないということに本人たちは気づいているはずである。

でも、環境を変える勇気がない。もしくは気力がない。または自己肯定感が低く環境を変えたところで今と同じ状況が待っているはずだと考える。

環境を変えるというのは本当に勇気がいることである。

そして、何かを変えるという行為は、年を取るほど難しくなる。

だとすれば、今この時が最も環境を変えることが簡単であるともとらえられる。

『死んだら永遠に休めます』では最後に主人公が新しい仕事に就いたところで終わる。

「なぜもっと早くこの選択ができなかったのか」

この主人公のように感じる人が少しでも減るといいと思う。

良くも悪くも純粋、素直

さて、本日は2冊の小説をもとに、「仕事ができない人」の思考を体験してきました。

私も入社時は、自分のことを仕事ができないと思っていたし、今でも苦手な業務にあたるとそう思うこともしばしば。

だけどある程度続けているとそれなりのことはできるようになってくる。

そのうえで、その仕事を楽しむことができるのか。

しだいにそこを重視したくなる。

長年続けることは、それだけであなたを仕事ができる人にしてくれる可能性が高い。

だけど、根本的にその仕事が向いていない場合は、何年続けても同じ結果になることがある。

「仕事ができない人」の多くは、わざとじゃなくて、一生懸命にやっているのにできない、という人であると思う。(たまにわざとやってるやついるけど)

ただ、仕事というのは一生懸命にやっているだけではだめで、ちゃんと結果を出すことや、一生懸命にやっているということを上司や同僚へ分かるように見せていかないといけない。

そこには少し打算的な思考が必要で、それが苦手な人も多いと思う。

そういう人は逆に、打算的な思考がない方がかえって喜ばれる仕事を探す方がいいだろう。

いずれにせよ、上司の言ったことを鵜呑みにしたり、言われたことだけやっているような素直で純粋なままでは、なかなか前には進めない。

自分の頭で考えること。

できないんだったらなぜできないのか、考える

環境が悪いと思うのならば、どこへ行けば自分が望む働き方ができるのか考える、

ことが大事なのだと思う。

また本日取り上げた本ですが、とってもおもしろい本なので皆さんも読んでみてください。

それぞれで記事も書いています。そちらもよかったらどうぞ。

↓本日ご紹介した本

▼あらすじ                                                                   無能なパワハラ上司に苦しめられながら毎日深夜まで働き詰めの生活を送る28歳の主人公・青瀬。突然失踪したパワハラ上司・前川から届いたメールの件名は「私は殺されました」。本文には容疑者候補として「総務経理本部」全員の名前があった。限界会社員・青瀬と妙に頭の冴える派遣社員・仁菜は二人で真相解明に取り組むのだが……。

▼あらすじ                                                         心身ともに疲弊して仕事を辞めた30歳の宮田は、唯一の友人である浜野から、期間工は人と接することの少ない「人間だとは思われない、ほとんど透明」な仕事だと聞き、浜野と共に工場で働くことに。
絶え間なく人間性を削り取られるような境遇の中、気付けば人間らしい営みを求めるようになっていく宮田だったが、実はある秘密を抱えており――。
選考委員の胸を打った、第16回小説野性時代新人賞受賞作!

↓こちらの記事もどうぞ

降りることを選んだ人々『降りる人』木野寿彦【あっさり】

辞めたらいいと他人は簡単に言うけれど『死んだら永遠に休めます』遠坂八重【こってり】

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