距離が遠いということの意味『火星の女王』小川哲【こってり】

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2025年11月

皆さん、今日もお疲れ様です!

仕事の日の雨も好きじゃないんですが、

休みの日に雨なのはもっと嫌です。

出かける予定がなかったら、家から出ようと思いませんからね。

そんな日は家でゆっくり本を読んではいかがですか???

というわけで本日は新刊のご紹介です!

小川哲『火星の女王』

とっても素敵な表紙なので、それだけで購入の価値ありです!

NHKでドラマもやるみたいなので楽しみですね。めっちゃSFだけど、どうやって映像化されるのかな〜

ほぼすべての記事で少しネタバレがありますので、ご注意ください

↓本日ご紹介する本

火星の女王 [ 小川 哲 ]
価格:2,090円(税込、送料無料)
(2025/11/9時点)

著者とあらすじ

▼著者                                                                1986年千葉県千葉市生まれ。2015年「ユートロニカのこちら側」で第3回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞しデビュー。2017年『ゲームの王国』で第38回日本SF大賞、第31回山本周五郎賞を受賞。22年『地図と拳』で第13回山田風太郎賞、翌年同作で第168回直木三十五賞を受賞。その他の著書に『嘘と正典』『君のクイズ』など。

▼あらすじ                                                          地球外知的生命の探求のために人生をかけて火星にやってきた生物学者のリキ・カワナベは、とある重大な発見をする。いっぽう火星生まれの少女、リリ-E1102は、地球への観光を夢みて遠心型人工重力施設に通っていた。様々な人の想いが交錯する人間ドラマ。

距離が遠いということ、の本当の怖さ

小川さんの作品の中では、「地図と拳」などとは異なりザSFな本作。

専門用語なども出てくるところは特にSFぽくて私は好きです。(理解はできないですが)

人間が火星に移住し始めてからの地球と火星をめぐる物語

距離の遠さ、の怖さを描いていて

かつて地球上で起こった悲劇をなぞっているような感覚でした。

地球から火星までの距離ですが、最も速い光であっても5分かかるのだそう

地球から火星まで徒競走をした時~最も早い光でも5分という表現が好きでした。

つまり火星と通信する際、片道5分、往復で10分のタイムラグが生じることになる。

こちらから送ったメッセージに返信が来るのが10分後ということで、そんなに重大なことに感じないけど、これが大きなすれ違いを引き起こすことになるのが本作。

少し話がそれるけど、職場で人間関係がうまくいかない時、

コミュニケーション不足が原因であることがとても多いように思う(もちろんそれだけじゃないけど)

上司が話を聞いてくれない、新入社員は自分の気持ちを話そうとしない、他部署からの指示が一方通行であるなど

十分なコミュニケーションが取れない状態が続くと、

人間同士は仲が悪くなってしまうのかもしれない。

仕事をする時に往復10分の時間がかかると思ってもらったらいい。

思うように仕事なんてできないはずだから

この本では火星と地球の関係を悪化させたスピラミンという物質(生物?)

を通信技術に転用し、情報伝達速度を高めることで

地球と火星の架け橋となる道を探るところで終わるのがとても象徴的でおもしろかった。

すべては自分の知らないところで決められている

「(中略)君の預金金額を参照しながら給与を設定していた可能性はあるんじゃないかな」

小川哲『火星の女王』早川書房2025年299頁

SFとはいえ、働く社会人の学びになる金言もいくつかあった。

私たち会社員はどこまで行っても所詮雇われの身にあるのです

仕事として火星から連れてこられた社員は地球に帰りたがってる

でも今帰られては仕事が回らなくなるし、社員への投資分が回収できないことを知っているCEOは、

社員の給料をギリギリ地球に帰れないくらいの額に設定する

こんな残酷なことがあるのかと思うけど

実際にそんな会社は多いだろう

特に今外国人の雇用が進む中、彼らが簡単に国に帰れてしまっては意味がない企業側が

給料を彼らが国に帰れないくらいに設定するのは

たぶんありえない話じゃない

私たち会社員はそれも理解した上で、

会社で働くならいいが

そうでない人が増えているような気もする。

会社に依存しない働き方とは

いつでも国(地球)に帰れる状態で働くことであり

本当は誰もがそのような状態で働ければいいと思う。

私はそのためにお金がもっと欲しいと思った。

もし国や地球に帰れないくらいの給料しかもらえないとしても、

別の収入減があったり、自由になるお金がもっとあれば

CEOの意向とは関係なく国や地球に帰ることができる。

そんな状態を目指して日々働いているつもりです。

本書に出てくるマディディというCEOには注目です。

とっても面白い人物です。

遠くへ行きたいあなたへ

俺は地球から逃げてきた男だ。火星より先に人類が到達した惑星はないので、俺にはもう逃げ出す先はない。

小川哲『火星の女王』早川書房2025年14頁

本書の登場人物の一人で生物学者のリキ・カワナベは火星で大きな発見をする。

地球から逃げてきたと語るが、

火星へ来たからこその大発見だった。

距離の遠い火星では地球と間ともに交信することもままならず

地球と同じような給与体制だけれど

環境をかえるということは、その人にとっては重要なことなのかもしれません。

ここではないどこかへ行きたいと思った時

火星という選択肢が存在する未来は

とても面白いなと思いました。

↓本日ご紹介した本

火星の女王 [ 小川 哲 ]
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ひのとみこ

週一冊読書家の20代会社員です。
主に通勤電車の中で本を読んでいます。
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2025年11月こってり
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