『イクサガミ』ドラマの配信も始まったけれど原作の小説とドラマどっちを先に見るのがオススメ?
2025年11月Netflixにて『イクサガミ』ドラマ版の配信が始まりました。
どうやら小説が原作らしい、という情報を得たうえで、読書家でもあるあなたは迷っている。どちらを先に見るべきか?と。
もちろん小説・ドラマ共に素晴らしい作品なので、どちらから見ても面白いことは間違いないのですが、
もし『イクサガミ』を最大限に楽しみたいのなら・・・
私のおすすめはドラマ→小説の順になります!
ドラマも小説も最大限楽しんだ私が言うので間違いありません。
でも実は私は、小説の1巻(天)と2巻(地)を読んだ後にドラマを見て、再度1巻から読み直しています。
というと小説から読んでるじゃないか、という声が聞こえてきそうですが
当初小説の1巻目「天」が発売されたころは、『イクサガミ』ドラマ化の話も特になく、時代小説でデスゲームものが出たと話題になっていただけだったので、小説を先に読んでいました。
しかしもし、これから読むすべての人にどちらから入るのがおすすめかと聞かれれば、それは間違いなくドラマであると答えるでしょう。
それはある一つの理由があるからです。
まだ、『イクサガミ』を体験していないあなた!ぜひ一緒にドラマから見て『イクサガミ』を最大限楽しみましょう。
『イクサガミ』とはどんな物語?
まずは作者とあらすじを簡単にご紹介しますが、早く本題へ入りたい方は飛ばしてください。
小説『イクサガミ』シリーズは全四巻。天→地→人→神の順になっています。
ちなみにNetflixドラマはシーズン1が全6話。シーズン2が決定しています。
▼著者 1984年京都府生まれ。2017年『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』でデビュー。’20年『八本目の槍』で第41回吉川英治文学新人賞を受賞。同年『じんかん』で第11回山田風太郎賞を受賞。’21年「羽州ぼろ鳶組」シリーズで第六回吉川英治文庫賞を受賞。’22年『塞王の楯』で第166回直木賞を受賞。他の著書に、「イクサガミ」シリーズ、『童の神』『ひゃっか』『てらこや青義堂 師匠、走る』『幸村を討て』『蹴れ、彦五郎』『湖上の空』『茜唄』(上・下)などがある。
▼あらすじ 明治11年。深夜の京都、天龍寺。「武技ニ優レタル者」に「金十万円ヲ得ル機会」を与えるとの怪文書によって、腕に覚えがある292人が集められた。
告げられたのは、〈こどく〉という名の「遊び」の開始と、七つの奇妙な掟。
点数を集めながら、東海道を辿って東京を目指せという。各自に配られた木札は、1枚につき1点を意味する。点数を稼ぐ手段は、ただ一つ――。「奪い合うのです! その手段は問いません!」剣客・嵯峨愁二郎は、命懸けの戦いに巻き込まれた12歳の少女・双葉を守りながら道を進むも、強敵たちが立ちはだかる――。弩級のデスゲーム、ここに開幕!
作者の今村翔吾さんは、「塞翁の盾」での直木賞受賞が有名です。
恥ずかしながらこの作品は未読です。加えて私はなんとなく時代小説に苦手意識がありました。しかし、『イクサガミ』がそれを変えてくれそうな予感がしています。
Netflixのドラマ版『イクサガミ』の予告から入るとただ侍が戦うというイメージが強くなりますが、数々の時代小説を書いている今村翔吾さんの作品だと知るとより歴史ものとして深みのあるドラマという印象が強くなるかもしれません。
また、大まかにいうと『イクサガミ』は明治初期、かつての侍たちがまだ生き残っている時代に「こどく」というデスゲームが行われるという話です。
しかし、Netflixでも配信されている他のデスゲームもの(イカゲームや今際の国のアリスなど)とは異なり、ただ無慈悲に人が死ぬだけではない、主催者側の人間味も強く、殺しだけがすべてではないストーリー展開(特に双葉の存在により)は、デスゲームものとしては少し優しい物語となっていると言えます。
これはこのドラマの主題がデスゲームにあるのではなく、参加者たちの生き様や時代背景に重きを置いているからだと思います。
だからこそ、アクションシーンやキャラクター、時代背景などをじっくり描写することができ、深みのある作品になっているのだと思います。
あらすじだけでも十分面白そう!となったところで、みなさんにはぜひドラマから見ていただきたい。
次はその理由を解説していきます。
ドラマ→小説の順で楽しむべき圧倒的1つの理由
『イクサガミ』というコンテンツをドラマ→小説の順で楽しむべき理由は一つです。
それは、ドラマを先に見ることで小説を読んだ時の想像力が圧倒的に高まるから
つまり、文字だけで描かれた小説を読んでいるはずなのに、まるで映像を見ているかのような読書体験ができるから、です。
小説を楽むためにドラマを先に見るという意味になりますが、ドラマを楽しむことを犠牲にするわけではもちろんありません。
Netflixの『イクサガミ』は万人が見て面白いように作られています。それは、原作を読んでいる人、読んでいない人、普段時代劇を見る人、見ない人、ドラマをよく見る人、見ない人、俳優目当てで見る人、見ない人、の誰もが見て面白くなるようにです。
私は本が好きです。しかし、どうしても人の目に触れることが多いのは本よりもドラマというコンテンツの方であり、ゆえに多くの人が見て面白いようにドラマは作られます。
とっつきやすい、分かりやすいドラマになっているという点で、『イクサガミ』の世界観にとても入っていきやすいです。
ドラマはドラマ単体として楽しむ。Netflixの『イクサガミ』は誰でも楽しむことのできる素晴らしいドラマに仕上がっています。
そして、その素晴らしいドラマを見た後に小説を読むと、2倍どころじゃなく小説が面白く読めるのです。
まず、ドラマでアクションシーンで必要な想像力を養おう
大男は即座に見切りを付けて襟を掴もうとし、僧形は直ぐに引き付けて今度は細かい突きを三度繰り返す。愁二郎は掌底で大男の手を下から押しのけ、踊るように槍を二度まで躱して、三突き目には飛び退いた。
今村翔吾『イクサガミ 地』講談社文庫2023年240頁
『イクサガミ』の魅力はなんといっても迫力の戦闘シーンです。
しかし強者同士の戦いを文章だけで読むのはやっぱり難しい…!
引用は「こどく(蠱毒)」にて主人公である嵯峨愁二郎が敵2人と戦うシーンです。
少し読んでもらえば分かるように、小説だとどうしても文字だけなので、正直誰がどう戦っているのか分からないというのが本音です。
アクション映画やマンガが好きでよく見てはいるものの、「襟をつかむ」「細かい突きを三度」や「踊るように躱して」など文字としての意味はとることができても、動きとしてイメージをすることがどうしても難しい。
実際に愁二郎がどんな動きをするのか、その緊迫感やスピードは、小説では読む人によって大きく変わってしまう。読み飛ばす人もいるかもしれません。
私としても一生懸命に想像をしながら読み進めるのですが、作者の意図するアクションがすべて理解できているとは到底思えず…
分かりたいのに分からないという、もどかしい気持ちになります。
小説は、ある程度読者の想像力に依存する、という性質を持ちます。
だから小説をつまらないと感じた時、その責任が自分にある場合があります。それは自分もまた小説の面白さを構成する一部分なのだということを意味するので、面白くもあるのですが。
ただ『イクサガミ』は、個性的なキャラクターたちによる激しいアクションシーンが売りの作品です。
だから、やっぱりこれを楽しみたい。そして、楽しめるかどうかで、作品の面白さは大きく変わるでしょう。
そのときに、ドラマを先に見る、という方法が生きてくるのです。
Netflixによる『イクサガミ』のアクションシーンは、岡田准一がすべてのシーンで指導をしているというだけあって、他の作品では見れないレベルのド迫力アクションシーンがいくつも存在します。
なにより視覚的に分かりやすい。
「踊るように躱して」の踊るようにの部分もドラマを見た後だと、なんとなくあの時のあのシーンみたいな感じかな~という風に圧倒的に想像がしやすくなります。
素人でも簡単に頭の中で映像がつくれてしまいます。
ドラマをすべて見て素晴らしいアクションシーンをたくさん取り込んで、自分の頭の中で再構築していく。
そうすると今までなんとなく分からないからと読み飛ばしていたアクションシーンが急に映像として現れ、キャラクターたちが物語の中でちゃんと戦うようになる。
戦いの緊迫感やスピード感、キャラクターたちの強さなどを余すところなく小説の文章からくみ取ることができるようになれば、この小説はさらに面白くなっていくでしょう。
ドラマを見て一貫したキャラクター設定を持とう
「あの恰好はアイヌか……!?」
戊辰戦争の最後、函館戦争にも愁二郎は新政府軍の一員として従軍した。その時に見た蝦夷地由来の民族の衣装に酷似しているのだ。しかも男は手に弓を持っており、箙もしっかりと背負っている。
今村翔吾『イクサガミ 天』講談社文庫2022年163頁
『イクサガミ』には様々なキャラクターが登場します。
ここも先ほどのアクションシーンと同様、読者に想像力が求められるポイントです。
ゴールデンカムイなどアイヌが出てくる作品を読んだことある人には比較的イメージしやすいのかもしれませんが、
昔読んだきりであまりゴールデンカムイを覚えてない私のような人にとっては、
先ほどの引用文の描写のみでアイヌの弓使いカムイコチャの衣装や武器をリアリティをもって想像するのは難しかった…!
確かに分からないなりに読み進めることはできますが、
せっかくなら、出てきたかっこいいキャラクターを、できるだけしっかり思い浮かべた上でセリフや戦いのシーンを想像したい、と思うのは私だけではないはず。
その点でドラマではすでにキャラクター設定が制作陣によってなされ、役者が演じており、武器も衣装もこちらが想像する余地なく造り込まれています。
作品によっては賛否が分かれるところですが…
例えば、自分の思い描いていたビジュアルと違う、武器が原作と異なる、雰囲気が違うなどでしょうか。
実写化に原作との乖離を指摘する批判はつきものであるものの、ドラマ『イクサガミ』には不要な心配かもしれません。
どのキャラクターにも説得力があって、最初違和感のあるキャラクターもいたのですが、だんだん馴染んできました笑
そのため、逆にドラマのキャラクターイメージをすっかりインストールしておくくらいの方が小説版が読みやすくなると思います。
ドラマを先に見ておくと
話し方やビジュアル、衣装や武器が具体的にイメージできるので小説の物語に集中できるようになるし、より映像化しながら読み進める事ができる。
この「映像化」ができるようになる、というのが、ドラマを先に見るべきたった一つの理由になります。
まとめ
ここまでドラマ版と小説版が存在する『イクサガミ』をドラマから先に見るべき理由を解説してきました。
元もないことを言えば、どっちから読んでも楽しめます。
それはどちらの作品も素晴らしいからですが
せっかくならばドラマと小説の相乗効果を最大にしたい!そう考える人はぜひドラマ版から観ることをおすすめします!
それはアクションシーンをより想像しやすくするためであり、
また登場するキャラクターたちの個性を余すところなく楽しむためであり、
小説を映像として読むためです。
まだ見ていない人、読んでいない人は、ドラマ版から見て『イクサガミ』の世界を全力で楽しんでください
そのせいで仕事が手につかなくても私のあずかり知るところではありませんが
今私は仕事が手についておりません
久しぶりにのめりこむことのできる小説に出会うことができ、うれしく思っています。
Netflixでのドラマ化もうれしい限りです。
私はひきつづき『イクサガミ』ライフを楽しんでいく予定です。
では、また次回の記事でお会いしましょう。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。




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