20年以上読み継がれ、全世界45言語で翻訳されているという「世界の果てのカフェ」
2025年11月にダイヤモンド社より発行され、最近書店でもよく見かけるこの本は
手に取ってみると読む前には戻れない、人生の生き方を変えてくれる本だった。
まだ読んでいない人は、ぜひ手に取ってみてほしい一冊です。
著者とあらすじ
▼著者 ジョン・ストレルキー(John Strelecky)
作家。講演家。冒険家。
7万キロにおよぶ世界放浪の旅の末、33歳のときに本書『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』でデビュー。出版から1年もたたないうちに、読者の口コミで世界中に広まりベストセラーに。現在までに七大陸45カ国以上で出版され、累計500万部以上が売れており、ヨーロッパでは2015年から9年連続で年間ベストセラーを受賞、アメリカでもベストセラー1位を獲得。そのほか、IBMやアメリカン・ゼネラルといった大企業の社員教育、ウィスコンシン大学、バレンシア大学など数多くの教育機関で教材として使用されている。執筆活動に限らず、テレビやラジオ、講演活動などを通して、自分らしく生きる方法を世界中の人々に伝える。また、世界中をバックパッカーとして旅し、アフリカ、南米、東南アジア、ヨーロッパ、中国など、多くの国々で長い時間を過ごしている1。
▼あらすじ ★発売3ヶ月、あっというまに11万部を突破!
★アメリカ・ヨーロッパで大ベストセラー、全世界500万部突破。
★9年連続で年間ベストセラー入り。19秒に1冊のペースで売れている話題書。
★日本語版では、鹿田昌美氏の新たな翻訳と髙橋あゆみ氏のイラストで蘇るーー。
手渡されたメニューには、“人生を変える3つの質問”が書かれていたーー。
読めば必ず「やりたいこと」が見つかる、不思議なカフェの物語。
60分で読めて、何度もハッとさせられる。一生を変える、珠玉のストーリー。
実業家と漁師の話
「なぜぼくたちは、やりたいことを今すぐやるのではなく、やりたいことができるときに備えて、こんなに多くの時間を費やすのかな?」
ジョン・ストレルキー『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』ダイヤモンド社2025年11月115頁
作品の中に出てくる寓話の中で最も気に入ったのが「実業家と漁師の話」である。
毎日好きなことをして最低限の魚をとって生活をしている漁師に向かって、実業家がもっとたくさん魚をとれば大金を稼いで早く引退してもっと楽な暮らしができると説く。
漁師は今も好きなことをして生きている。だから、好きなことをするために仕事を頑張り引退する必要がないのだ、という話である。
私たちの多くは実業家と同じような考え方をしているであろう。
FIREなんてまさにその典型で、とにかく今、将来好きなことをするために働き続ける。
働きたくないから今働いてお金を貯める、という人もいる。
好きなことをして暮らすためにはたくさん働き、たくさん稼ぐ必要があると、それが誰にでも当てはまると思っている。
実際は世の中には漁師のようにすでに好きな働き方を見つけていたり、将来のためではなく、今を楽しく生きている人がいることに気づかない。
実は、私たちはすぐにでも理想の生き方をすることができる、と本書は説く。
つまり、いつか来るであろう「引退」まで待つ必要はないのだと。
毎朝家族とゆっくり朝食を取り、好きな釣りに出かけ、夕食後には子供たちが海で泳いでいるのを眺める、そんな生活をしている漁師に向かって、もっと稼いで引退できればもっといい暮らしができると説く実業家にあなたはなりたくないはずだ。
そうならないために考えるべきことがこの本には書いてある。
正直私は、何かを好きでやっている人に向かって、この実業家のような物言いをしてしまった心当たりがあった。本から学べることは多い。
あなたにとってそれは本当に欲しいもの?
「ぼく自身は『なぜここにいるのか』を理解して、それを満たすために自分が決めたことをやっていれば、今よりずっとお金の心配は減ると思う。言いたいのはそういうことだよ」
ジョン・ストレルキー『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』ダイヤモンド社2025年11月161頁
しかし、そうはいっても好きなことだけをするにはお金が必要でしょ?
と、読み進めていてそう思った。
大切な人とお金の心配をせずに過ごすことも、好きな服やモノを買うのにも、広いおしゃれな家に住むことでも、私たちが幸せに生きるにはたくさんのお金がいる。
だから働かなければならないし、投資もする。
だけど、そのお金は本当に必要なのだろうか?
つまり、あなたが欲しているもの、家や車、服やバッグ、本、それらをそもそも欲しいと思わせているものはなんであるだろうか、ということである。
お金の心配とは
『逃避』の必要がなかったら、あるいは『リラックス』する必要がなかったら、モノを買う必要って、どれほどあるだろうか?
ジョン・ストレルキー『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』ダイヤモンド社2025年11月160頁
私たちは少なからずストレスによって物を買ってしまう。
仕事で疲れていると物が欲しくなる。
誰かが持っているブランドのバッグがやたらSNSで目に入るようになるし、休日くらい普段の疲れた自分ではなく好きなものを身につけていたい、と私はよく思う。
働いているのだからこのくらいは買ってもいいだろう、と普段よりも少しいいご飯を食べに行く、気分転換に旅行にも行く。
そういう楽しみを否定するつもりはないし、実際ストレスがあるからこそ、こういった気晴らしがとても楽しく感じるということもある。
けれど、ここで言いたいのは、常に満たされた生活を送る人には物で心を満たす必要がないから、お金が必要ではなくなるということである。
不思議なことに、心を満たすためにお金が必要であると思ってきたが、心が満たされるとお金の心配は減っていくのである。
それもそのはず、満たされた状態では、これ以上お金で何かをする必要がない。
今後お金が全くないのは困るけど、ある程度あれば幸せに生きていけると思うことができるから。
そして恐ろしいのはお金があれば理想の生活ができる、と思ってお金を貯め続けても、お金の心配はなくならないということである。
逆に質素であっても、他人から理解されてなくても、今の生活で心が満たされている人は、もっともっととお金を貯め続ける人よりもずっとお金の心配が少ないのである。
もしもあなたがお金の心配をなくしたいと思うのならば、
心が満たされるような生活を送ることを優先するべきであり
がむしゃらに働いてお金を稼ぐことは、お金の心配をなくすための近道ですらないということである。
おわりに
「そうさ、ジョン、人生は素晴らしい物語なんだ。ただ、ときどき自分が作者だということを忘れてしまう。私たちは何でも好きなように書けるのさ」
ジョン・ストレルキー『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』ダイヤモンド社2025年11月208頁
一度きりの人生だから自分の好きなように生きたい。
そう思わない人はいないだろう。しかし、いつしかそれを忘れてしまう。
実は、自分の人生は自分で変えていくことができる。
嫌な仕事を続けることも続けないことも自分で選ぶことができる。
どうしても広い家に住みたいのならば、住んでしまえばいい。それは別の世界線の自分なんかじゃなくて実現可能な私のこと。
他人に任せて他人の価値観で生きても自分は満たされることはない。
自分がなぜここに存在するのか、それを考えるにはたくさん自分と向き合う時間が必要になる。
仕事や悩み事に忙殺されるあまりこういう人生の生き方について考える時間を失っている社会人も多いだろう。
やりたいことをやるのに必要なのはお金じゃない、勇気なのかもしれないけど、そんなのなくなって、やってしまえばいい。
あなたの人生なんだから、あなたが変えていけばいい。
それについて考え始めたあなたはもう以前のあなたとは違う。
本書に登場するカフェとはつまり、私たちが今読んでいるこの本こと。
素敵な本との出会いを大切にしていくことも私にとっては心を満たすための第一歩である。



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